特別支給の老齢厚生年金とは

特別支給の老齢厚生年金とは

特別支給の老齢厚生年金って何?

■概要

特別支給の老齢厚生年金とは、老齢厚生年金の受給が65歳以上に引き上げられても、条件を満たせば当面の間60歳から64歳までの老齢厚生年金が支給されることをいいます。
老齢厚生年金の支給資格が65歳以上に引き上げられるのにともない、スムーズに支給年齢を引き上げるために設けられました。

■受給資格

特別支給の老齢厚生年金の支給を受けるためには、いくつかの条件を満たさなくてはなりません。
以下にその条件を列挙します。

1.男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと。
2.女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと。
3.60歳以上であること。
4.厚生年金保険等に1年以上加入していたこと。
5.老齢基礎年金の受給資格期間(原則として25年)があること。

これらの条件を満たした人のみ、特別支給の老齢厚生年金が支給されます。

■年金額について

特別支給の老齢厚生年金は、定額部分と報酬比例部分で計算されます。
定額部分の支給は2012年度まで、報酬比例部分の支給は2024年度までとなっています。
そのため、2013年度以降、定額部分は廃止されています。

1.定額部分について

定額部分は「定額単価×加入月数」で計算されます。
そのため、報酬比例部分が在職中の給料と連動しているのに対して、定額部分は加入月数と連動しています。
また、定額部分は40年、480ヶ月で頭打ちになります。

2.報酬比例部分について

報酬比例部分は定額部分と異なり、在職中の給料および加入期間によって決定されます。
また、定額部分とは違って加入月数の上限(定額部分は480ヶ月)はありません。

■年金の繰り上げ請求

特別支給の老齢厚生年金は当面の間60歳から64歳までの人でも受給条件を満たせば年金が支給されるものですが、たとえこの受給資格を満たしていなくても年金を受け取ることはできます。
60歳以降であれば、たとえ受給開始年齢に達していなくても年金事務所で繰り上げ請求をすれば年金を受給することができます。

ただし、デメリットもいくつかあります。

1.老齢基礎年金とあわせて請求する必要がある

老齢厚生年金のみを繰り上げすることはできず、老齢基礎年金と一緒に繰り上げ請求をする必要があります。

2.支給額が減額される

当然、年金支給額も減額されます。
繰り上げ請求日から本来の受給開始日までの月数に0.5%をかけた額が減額されます。
たとえば、老齢基礎年金を65歳から、老齢厚生年金を61歳から受け取る人が60歳の頃に繰り上げ請求した場合、
老齢厚生年金: 12ヶ月×0.5%=6%
老齢基礎年金: 60ヶ月×0.5%=30%
減額されます。

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