劣後株とは
劣後株って何?
■概要
劣後株とは後配株ともよばれ、普通株よりも配当や残余財産分配権が制限されている株式のことです。
資金調達のために新株発行をしたいが、既存株主の利益を損ないたくないというような時に利用されます。
そのため、経営者や発起人などに対して発行されることがほとんどで、一般投資家には通常発行されていません。
■劣後株が発行される目的
劣後株は普通株よりも配当や残余財産分配権が劣るため、買い手にとってメリットがほとんどありません。
そのため劣後株は経営者などに対して発行されることがほとんどです。
ではなぜ劣後株が発行されるのでしょうか。
ある会社が資金調達のために新株の発行を計画しているとしましょう。
会社は新株を発行することで資金調達が可能ですが、新株を発行すると既に発行されている株式の一株当たりの価値が下がってしまいます。
そのため、既存の投資家から見れば新株発行はデメリットとなることが多く反発を受けることがあります。
こういう場合に普通株ではなく劣後株を発行することで、既存の株式の価値を下げずに資金調達をすることが可能になるのです。
■劣後株のメリット
普通株に比べてメリットが少ない劣後株ですが、どのような場合にメリットが出てくるのでしょうか。
ここでは劣後株のメリットについて解説します。
議決権を安く手に入れる
劣後株は普通株よりも割安で発行されることが多い株式です。
そのため、会社の議決権を集めたいという時に割安で劣後株を買うことで、より少ない資金で議決権を集めることができます。
議決権を集める場合は配当にはこだわらないという場合が多いので、議決権を集めて会社を買収したいという第三者から見れば劣後株はメリットが大きい手段となります。
たとえば、投資ファンドが劣後株を通して企業の経営権を握り、業績を回復させたあとに高く売れば利益がでます。
また、2004年に産業再生機構がダイエーの支援のために株の一部を劣後株で引き受け、再生に協力したという例もあります。
オーナー社長の相続対策
上場していない企業のオーナー社長が相続対策として劣後株を利用することもあります。
会社の経営を子供に譲る際に普通株を大量に譲渡すると多額の贈与税が課税されてしまいます。
そこで、議決権はあるが普通株に比べて割安な劣後株を譲渡することで課税額を低く抑えるという場合があるのです。
このように、相続の税金対策としても劣後株はメリットがあるのです。
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