ROAとは
ROAって何?
■概要
ROAとは総資産利益率(Return on Assets)の略称で、当期純利益(又は営業利益など他の利益)を総資産で割って算出される財務分析概念の1つです。
経営資源である総資産からどれほど効率的に利益を生み出しているかを測る指標として利用されています。
ROAが高いほど効率的に経営がされているということになります。
■ROAの計算式
ROAは以下のような計算式で算出されます。
ROA=当期純利益/総資産
ROAの分子にあたる利益を何にするのかという点については様々な考え方がありますが、一般的には当期純利益を使います。
なぜかというと、企業の事業活動の目的は法人税等のコストも全て引いた時に残った利益の獲得だからです。
そのため、事業の効率性を測るROAの分子も最終的に手元に残るお金である当期純利益を使用したほうがいいと考えられています。
一般的にはROAが10%あればかなり効率的に経営がされているといえるため「優良」となります。
ROAが5%なら「良」。
1%〜2%なら「普通」となります。
■ROAとROE
ROAとよく似た指標の1つにROE、自己資本利益率(Return on Equity)があります。
ROEは当期純利益を株主資本(払込資本金と内部留保)で割って算出される財務指標の1つです。
ROAが総資産に対しての純利益の比率を表すのに対し、ROEは自己資本に対しての純利益の比率を表します。
どちらも重要な指標ですが、投資家からは特にROEが重要視される傾向があります。
株主からすれば株主利益の最大化が最重要課題であるため、株主資本である自己資本が分母であるROEのほうが重要だと考えられるからです。
しかし、ROEは銀行からの借入金を増やして自己資本比率を下げることで人為的に高くなるように細工することもできます。
そのため、ROEは株主資本の効率性を知るための指標の1つとしては有効ですが、決して万能というわけではありません。
■ROAと借入金利
ROAと借入金利を比較することで借り入れを続けるべきかどうかという財務戦略の検討が可能になります。
ROAが借入金利を上回っていた場合は借入金利以上に利益を獲得できているため、更に借入金利を増やして事業拡大を実施するべきという考え方ができます。
一方、ROAが借入金利を下回っていた場合は借り入れにより調達した資本を使って得た利益が借入金利を下回っているため、事業を縮小して借入金を早期返済したほうがいいという考え方ができます。
どちらも理論上の考え方なので必ずこうすべきというものではありませんが、財務戦略を練るうえで1つの参考にすることができます。
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