オープン価格とは
オープン価格って何?
■概要
オープン価格とは、メーカーが商品に対して明確な希望小売価格を定めずに、販売価格を卸売業者や小売業者の裁量に任せた価格設定のことです。
大手量販チェーンの台頭や店舗ごとの流通コストの違いなどによってメーカーが設定した希望小売価格と実際の販売価格の乖離が大きくなったため、家電製品や携帯電話などを中心に導入されることが多くなりました。
これは、公正取引委員会が定めた二重価格の基準(該当製品が市場の3分で15%以上、2分の1で20%以上の値引きが行われている場合は二重価格)に抵触しないようにするためでもあります。
■オープン価格のメリット
ここではオープン価格のメリットをメーカー、消費者、販売店の視点から解説していきます。
1.メーカー
メーカーが希望小売価格を設定すると販売店の価格競争時に何割引と書かれてセールに出されてしまうことが頻発します。
商品が安売りされるとメーカーにとってはブランドイメージが低下するので、あらかじめ販売店に価格設定を任せることでブランドイメージの低下を避けることができます。
2.消費者
より安い価格で商品を購入しやすいというのはもちろん、値引き率につられて機能が劣る商品を購入するということが少なくなります。
3.販売店
価格設定をコントロールできることで、消費者を呼び込むために安価な値段に設定したり、あるいはマージンを多めにとるために高めにするなど状況に合わせて柔軟な価格設定が可能になります。
また、その店舗独自の値決めをすることで消費者に店舗まで足を運んでもらいやすくなるというメリットもあります。
■オープン価格のデメリット
ここではオープン価格のデメリットについて説明していきます。
1.メーカー
販売店が希望小売価格ではなくオープン価格で販売すると、メーカーが卸先に対して希望小売価格の何%という掛け率の形で卸価格を設定できないというデメリットがあります。
2.消費者
オープン価格は同じ商品でも店舗によって実際の販売価格が違うため、実際に店舗に足を運んだりWebサイトで調べなければ販売価格がわかりにくいようになっています。
また、多数の店舗を比較しないと店舗ごとの販売価格の差によって損をすることもあります。
たとえば、ある店舗では1万2000円で売っていた商品が別の店舗では1万円で売っていたというのはよくあることです。
これに加えて、異なるメーカー同士で比較するのが難しいというデメリットがあります。
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