欧州債務危機とは
欧州債務危機って何?
■概要
欧州債務危機とは、ギリシャの財政問題に端を発する欧州における一連の金融危機のことです。
当初はギリシャの財政問題だけでしたが、スペインやイタリア、アイルランドにも飛び火し欧州全体の金融システムが危機に陥りました。
単一国家の財政危機ではなく、ユーロという共通通貨への信任が揺らぎかねない事態となったため、EU加盟国(フランスやドイツ等)がギリシャに緊急融資を行うなどしました。
■ギリシャの財政粉飾
欧州債務危機の発端はギリシャの財政粉飾でした。
EUの加盟にあたっては様々な財政的条件が設けられていますが、ギリシャが巨額の財政赤字を隠していたことが発覚し、ギリシャがデフォルトするのではないかとの憶測が流れました。
また、スペインやイタリアなども財政危機に陥っていることが判明し、危機が一気に欧州全体へと広がりました。
その結果、ギリシャ国債の金利は40%近くまで跳ね上がるなどし、不信感から他の加盟国の国債の金利も上昇しました。
この問題により、ギリシャ国債を大量に保有していた大手銀行デクシアが経営破綻しました。
■共通通貨ユーロの問題点
欧州債務危機は単一通貨であるユーロの問題点を浮き彫りにしました。
EU加盟国は共通通貨であるユーロを導入します。
ユーロを導入することで域内の経済活動を活発化させるのと同時に、経済が脆弱な加盟国の信用力を補填するという効果もありました。
しかし、共通通貨であるユーロを導入して金融政策は統一しましたが、財政政策は各加盟国に一任されていました。
そのため、各国で財政政策が異なり、共通通貨ながら今回のように財政危機に陥る加盟国が出たのです。
共通通貨であるユーロを導入している加盟国がデフォルトすれば、ユーロへの信任が揺らぎかねず、その影響が欧州全体に波及する可能性があることからギリシャへの支援が決定されました。
このように、統一された通貨と金融政策に対して統一されていない財政政策という構造上のねじれが、共通通貨であるユーロの大きな問題点として浮き彫りになりました。
■PIIGS諸国について
今回の欧州債務危機で財務が脆弱であると指摘された諸国の頭文字をとってPIIGSと呼ばれています。
PIIGSはポルトガル(P)、イタリア(I)、アイルランド(I)、ギリシャ(G)、スペイン(S)で構成されており、財政粉飾が浮き彫りになったギリシャに加え、財政危機に陥ったイタリアやスペインなどの先進国も含まれています。
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