アメリカ合衆国財務省証券とは

アメリカ合衆国財務省証券って何？

■概要

アメリカ合衆国財務省証券とはアメリカ合衆国政府が発行する公債であり、一般的に米国債と呼ばれているものです。
財政資金の補填などのために発行されており、その発行残高と売買量は世界最大となっています。
そのため債券の中でも特に信用度が高く、高い流動性を誇っており、長期金利の世界的な指標としても使われています。
多くの外国政府が外貨準備の運用先として利用しており、日本の外貨準備高の多くも米国債が占めています。
米国債の最大の保有者は中国となっており、日本は２位となっています。
現在日本では米国債をめぐって様々な議論があり、米国債を売却すべきという意見や保有を続けるべきという意見など様々な意見があります。

■米国債の特徴

ここでは米国債の特徴について説明します。

有事の際に資金の避難先になる

戦争などが起こった場合、信用と流動性が高い米国債は資金の移動先となることがよくあります。

ドル資金の有力な運用先

海外投資家や外国政府が手持ちのドル資金を使って米国債を運用するケースが甥です。

世界最大の債券

米国債はその売買量と発行残高で世界最大を誇る債券となっています。
そのため、投資家からの信用も高いうえに頻繁に売買されるため流動性も高くなっています。

世界の金融市場の指標

米国債は世界最大の発行残高を誇る債券であるため、その利回りと価格は他の金融商品に大きな影響を与えます。
そのため、米国債の金利などが世界の金融市場の指標ともなっています。

アメリカ合衆国政府が元利の支払いを保証

米国債はアメリカ合衆国政府が元利の支払いを保証している債券となっています。

■米国債の種類

米国債は償還期限や利払い方法などによって何種類かに分類することができます。
まず利払い方法によって大きく２つに分けることが出来ます。
償還が１年以内又は利払いなしの割引発行の場合は割引国債と呼ばれます。
一方、償還が１年を超えて行われ利払いが年に2回行われるものを利付国債と呼びます。
また、償還期限によっても大きく３つに別れます。
数日から52週間の割引債のことをT-Bills（米国財務省短期証券）、2・3・5・7・10年物の利付債のことをT-Notes（米国財務省中期証券）、30年物の利付債のことをT-Bonds（米国財務省長期証券）といいます。
この他にも元本や利子が物価に連動するインフレ連動債や、利付債の元本と利子が分離されてそれぞれの部分が割引債として販売されるストリップス債などがあります。