固定相場制とは
固定相場制って何?
■概概要
固定相場制とは、各国政府間で為替レートを固定もしくはその変動を極小幅に限定する制度のことです。
為替レートの変動を制限することで、戦後間もないヨーロッパ諸国の復興や貿易環境の安定化が図られました。
為替相場の変動によって輸出競争力が削られることを防げるというメリットなどがありますが、為替レートを維持するために連動させる通貨の国の金融政策に追随しなくてはならないという問題点もあります。
■概固定相場制の種類
固定相場制にはいくつかの種類があります。
ここではそれぞれの種類について解説していきます。
ドルペッグ制
ドルベッグ制は自国の通貨とドルの為替レートを一定に保ち、自国通貨のレートをドルに連動させる制度のことです。
基軸通貨であるドルと連動させることで自国通貨の安定を図り、アメリカとの貿易を安定させるという狙いがあります。
しかし、アメリカの金融政策とも連動しているため自国の通貨政策の裁量余地が小さいという欠点もあります。
通貨バスケット制
通貨バスケット制は自国通貨と複数の通貨レートの平均値を連動させる制度のことです。
通貨の構成比や計算が複雑なのが難点ですが、特定通貨が大きく変動した場合でも他の通貨でその影響が緩和されるというメリットがあります。
管理フロート制
管理フロート制は政府や中央銀行が為替相場に介入して為替レートを管理する制度のことです。
現在でも中国などで採用されており、アメリカが懸念を示しています。
ちなみに、為替レートの決定をマーケットの需給にゆだねることをフロート制といいます。
■概固定相場制のメリット
固定相場制にはいくつかのメリットがあります。
メリットの1つ目は為替レートの安定化を通じて輸入物価をコントロールすることでインフレを緩和できるということです。
自国通貨が暴落することによる急激なインフレを防ぐことができます。
2つ目は短期的な貿易環境の安定化で、為替レートの急激な変動をコントロールすることで輸出競争力を確保すると同時に貿易を円滑にすることができます。
また、為替リスクをコントロールすることで資本流入も見込めます。
■概固定相場制のデメリット
固定相場制のデメリットとしては、長期的な視点にたった場合に為替レートが適正値から乖離してしまうという点です。
意図的にレートが固定されているため、マーケットで決まる実勢レートとは大きく異なることがあります。
また、固定相場を維持するためには自由な資本移動や金融政策を実施できないというデメリットもあります。
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