変動相場制とは
変動相場制って何?
■概要
変動相場制とは為替レートをマーケットの需給によって決定する制度のことです。
固定相場制のように為替レートを固定しないため、各国の金融政策や経済情勢、投機マネーなど様々な要因で為替レートが変動します。
金とドルの交換を停止したニクソンショック以前には為替レートを固定する固定相場制が採用されていましたが、ニクソンショック以後は固定相場制から変動相場制へと移行しました。
■スミソニアン体制とキングストン合意
固定相場制は1944年にブレトンウッズで国際通貨協定が結ばれたことからブレトンウッズ体制とも呼ばれます。
このブレトンウッズ体制がニクソンショックによって崩壊することで、固定相場制から変動相場制への移行が行われました。
しかし、すぐに現在のような変動相場制へと移行するのではなく、大きな混乱を避けるためにドルの切り下げと為替レートの変動幅拡大を容認した緩やかな固定相場制が試みられました。
この新たな固定相場制をスミソニアン体制といいます。
しかし、スミソニアン体制に移行したのちもアメリカの財政収支の悪化は止まらず、イギリスがスミソニアン体制を脱退して変動相場制へと移行すると他の主要国もそれに続きました。
これにより、スミソニアン体制はあっさりと崩壊しました。
こうして各国が変動相場制へと移行するとジャマイカのキングストンで変動相場制の正式な承認と新たな協定が採択されました。
これをキングストン合意といい、これによって現在の国際通貨体制が確立されることになりました。
■変動相場制のメリット
変動相場制の大きなメリットとしては自国の金融政策に大きな裁量権が与えられるということです。
固定相場制では為替レートを維持するために他国(特にアメリカ)の金融政策に追随せねばなりませんでした。
しかし、変動相場制に移行することでその必要が無くなり、自国の金融政策に大きな裁量権を持つことができるようになりました。
また、通貨が下落することで輸出競争力を増大させることができるため、外需の拡大もより容易になりました。
■変動相場制のデメリット
一方、変動相場制に移行すると為替レートが急激に変動することがあります。
これが変動相場制のデメリットであり、為替レートの急激な変化は貿易環境の混乱や自国の経済状況を悪化させることもあります。
この変動には需給の他にも投機マネーなど多くの要因が絡んでくるため、固定相場制に比べるとマーケットが流動的で時に大きな混乱を引き起こすこともあります。
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