量子数とは

量子数とは

量子数(りょうしすう)って何?

量子数とは何か

量子数は量子力学という物理学の中で用いられる用語で、量子の状態を区別するための数です。
量子というのは、物質の小さい単位のことで、原子やその中に含まれる電子・陽子などのことをさします。
量子数には、主電子数・方位量子数・磁気量子数などがあり、原子の電子配置と関連があります。
今回は量子数について、コンピュータを例に紹介します。

量子数とコンピュータ

私たちの身近なコンピュータや携帯電話は、量子力学を応用して作られたものです。
コンピュータに使われている集積回路(IC)は半導体という素材で構成された電子回路です。
半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持っています。

半導体の材料

半導体はケイ素(シリコン)やゲルマニウムで作られることが多く、これらの原子は最外殻に4個の電子をもっています。
例えばケイ素(Si)は、14個の電子をもっており、K殻に2個、L殻に8個、M殻に4個の電子が運動している状態になります。
この運動の状態を量子数は表しているのです。

電子の軌道

子殻の中を動く電子は、決まった軌道の上を動き回ります。
K殻は2つの電子まで入ることができるs軌道だけをもち、L殻になると6つの電子まで入ることができるp軌道が加わるため、L殻には8個の電子が入ることができます。
M殻になるとd軌道というのが加わって18個まで電子が入ることができます。
このように、電子殻が増えていくと、軌道の種類も増えていきます。

軌道の方向

s軌道は球の形をしるので、方向は1種類しかありません。
しかし、p軌道は中心がしぼんだリボンのような形状をしています。
このリボンの向きがx軸方向のものとy軸方向のもの、z方向のものの3種類が存在します。
さらに、d軌道になると向きが5種類…というように、外側の電子殻になるにつれて軌道の方向も増えていきます。

電子の軌道と量子数

これまで、電子殻や電子の軌道について説明してきました。
これらの状態を数字で表したものが量子数です。
主量子数は、電子殻の内側から、K殻は1、L殻は2、M殻は3…というように数字を対応させていきます。
先ほどの例で挙げたケイ素は最外殻はM殻なので、主量子数は3となります。
方位量子数は、s軌道は0、p軌道は1、d軌道は2…というように対応しています。
同じように軌道の向きに数字を対応させたものが、磁気量子数というものです。
また、電子のスピンの方向を+-で表すスピン量子数というものもあり、これらをまとめて量子数と呼びます。

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