未成工事支出金とは
未成工事支出金って何?
未成工事支出金
建設業の会社で経理を担当している人であれば、未成工事着手金に頭を悩まされた経験があるという人は多いのではないだろうか。
工業簿記で学ぶ「仕掛品」よりもさらにややこしく、金額も大きくなるため、処理に悩む人は多いだろう。
未成工事支出金とは、まだ完成していない工事に対してかかった費用、支出のことである。
まだ販売できない状態であるため、未完成品を計上する科目という意味では仕掛品の一種ともいえる。
まだ完成していないものを売り上げとして計上するわけにはいかないため、期末の際には資産として計上し、次期への繰り越しとなる。
完成して納品してから初めて売上として計上する。
いわば中間段階のようなものである。
仕掛品との違い。
仕掛品についてあまり知らないというともいるだろう。
仕掛品とは製造業において原料を仕入れてから製品が完成するまでの工程で、まだ未完成品である製品のことを言う。
会計処理を行う際には、材料費と加工費に分類し完成度に応じて仕掛品を処理していた。
例えば、材料費が3000円、加工費が2000円、完成度が60%であれば、仕掛品の金額は
(3000円+2000)×60%=3000円となる。
未成工事支出金も基本的な考えは仕掛品と同じである。
こちらでも加工費を材料費、労務費、外注費、経費などに分類して管理する。
種類は多いが、根本的な扱い方は同じである。
ただし完成度の考え方は仕掛品とは少し違う。
工事完成基準
仕掛品と比べてもっとも違うところは、製品の完成、つまり工事が終わって納品するまで、ちょうど1年とは限らないというところである。
今年始まった工事でも、今年中に会計処理できるとは限らないのである。
工事が終わるのは2年後か、3年後かもしれない。
その時まで会計処理をせずにおいておくのだろうか。
建設会社の会計では「工事完成基準」というものを採用している。
工事完成基準とは、例えば工事期間が3年、総金額が3億円と見積もられた工事があったとする。
1年目は全体の3分の1が完成したため、この年の売上は1億円となるのだろうか。
仕掛品が売り上げにならないのと同様に、未完成の時点では販売できる状態ではないので売上とはならない。
この場合は未成工事支出金が1億円となる。
3年たって完成してから始めて売上となる。
完成するまでは未成工事支出金を売り上げの代わりに記録しておく。
そして完成した後に、初めて売上を記録するのである。
未成工事支出金を売り上げに振り替えて、会計処理が完了する。
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