顕熱とは
顕熱(けんねつ)って何?
顕熱とは
顕熱というと、小学校や中学校の理科の時間に習ったという人は多いだろう。
おもに物理学の範囲の知識であり、水が氷へ変化したり水蒸気に変化したりに代表される状態変化の分野で出てくる言葉である。
小学生や中学生の時、理科が苦手だったという人は多いと思うが、潜熱も難しい原理なのだろうか。
水を温めて沸騰させると、蒸発して水蒸気になる。
このとき、暖めてから沸騰するまでの温度変化を伴う加熱にかかったエネルギーのことを顕熱という。
沸騰してから水蒸気になるまでは温度は常に100度であり、それ以上温度は上がらない。
しかし、沸騰するまでは温度変化は温度計などを使えば目で確認することができる。
目に見える、顕れる(あらわれる)熱であることから「顕熱」と呼ばれる。
また温度が上がるだけでなく、水がだんだんと温度を下げていき、次第に氷へと変化していくときのように、温度を下げるときに必要なエネルギーも顕熱である。
ちなみに温度変化を伴わない状態変化に必要なエネルギーのことを潜熱(せんねつ)という。
水が100度になって沸騰してから、水蒸気に変化していく際に使われるエネルギーが潜熱である。
言葉の知名度だけであれば、潜熱のほう上かもしれない。
日常の中の顕熱
顕熱を利用した装置が私たちの身近にも存在している。
それは「エアコン」である。
実はエアコンは顕熱や潜熱を利用した装置なのだ。
普段の私たちの部屋の空気には、多かれ少なかれ水蒸気が含まれており、この水蒸気を含む空気のことを「湿り空気」という。
このとき、湿り空気の水蒸気量に影響されずに空気の温度だけを変化させるのが顕熱変化である。
しかし、空気の温度だけを変化させる顕熱変化では、快適な空気を作ることができない。
空気だけを冷却しても水蒸気量は変わらないため、湿度だけ高くなってしまい、じめっとした空気になってしまう。
ここで潜熱が登場する。
冷房時であれば、空気中の水蒸気を凝縮し、水にして屋外に捨ててしまうことで、温度と水蒸気量を同時に変化させることができる。
そのため湿度を変えずに温度を変化させることを実現した。
逆に暖房であれば、空気中の水蒸気量を増やすと快適な空気になる。
温度の変更は顕熱変化で、水蒸気量の変更は潜熱変化で行っているのである。
ちなみに空気中の水蒸気量を増やす(加湿)ことは簡単であるが、減らす(除湿)ことは難しいらしい。
エアコン1つにしても、空気や水の関係性をうまく使って快適な空気を作り出しているのである。
このように顕熱や潜熱は、教科書の中だけでなく、日常の中にもたくさんある。
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