産業力強化とは

産業力強化とは

産業力強化って何?

産業力強化とは

平成25年12月に成立した「産業競争力強化法」のことである。
日本企業の国際競争力を強化するため、産業の発展段階を「創業期」「成長期」「成熟期」「停滞機」の4つに分け、それぞれの段階に合わせた支援策を行う。
この法律は現在の日本企業が陥っている「過剰規制」「過少投資」「過当競争」を改善し、既存事業、新規事業を問わず、競争を行っていくための障害を取り除くためのサポートを目的としている。

産業競争力強化法概要

この産業競争力強化法は、「実行体制」を軸としている。
これは簡単に言うと、企業の取り組みに対して政府がサポートを行うことである。
具体的な内容としては下記の通り。

企業実証特例制度

新規事業を立ち上げようとしている企業に対し、企業単位で規制緩和に努める制度。
例えば、物流の分野では、申請をすれば電動自動車の公道走行実験が可能となる。
これにより「過剰規制」を緩和し、企業側は新たな分野の開拓に努めやすくなる。

グレーゾーン改称制度

民間企業が新規事業に進出する際、あらかじめ法律や規制などに抵触するかを1か月以内の短期間で確認することができる制度。
迅速に対応することで、企業側は積極的に新規事業を計画することができる。
こちらも「過剰規制」を緩和に効果がある。

この2つの制度を軸としているが、それ以外にも様々なサポートを行っている。
例えば最先端医療機器や3Dプリンターなど初期投資がかさむ設備をリース方式にして最新技術の普及を促進したり、ベンチャー企業への投資の迅速化を行うなど、「過少投資」を改善している。

今後の課題

グローバル競争が激しくなるにつれて、「規模の経済」が求められるようになった。
規模の経済とは、製造業などでよく使われる言葉である。
簿記を学んだことがある人ならご存じだろう。
例えば製品Aを一気に10個作るときと100個作るときでは、どちらが1個当たりのコストが安くなるだろうか。
答えは100個である。
このように同じ製品を作るときにはなるべく多くの数を一気に作ることで、仕入れのコストや人件費、光費などを抑えることができ、この考え方を規模の経済という。
欧米やアジア各国ではそうした観点から事業再編を進めている。
その結果、大規模な設備を持っている企業の競争力が高くなってしまった。
「過当競争」とは逆に、一部の企業だけで業界の売上を独占してしまう「寡占化」が顕著となっており、同一業界内の企業数は少なくなっているが、その一方で企業規模は大きくなっているという状態である。
日本では逆に多くの国内企業同士で消耗戦を行っているような状態である。
特に中小企業ではこの傾向が顕著である。
こうした「過当競争」が日本の収益性が低い一因となっているため、各企業に独自の武器を持たせ競争力を分散させなければならない。
そのためには思い切った投資を行い、産業の代謝を促進し、収益を増やしていくことがこの法案の目的である。

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