SPC法人とは
SPC法人って何?
■SPC法人とは
SPC法人というものをご存じだろうか。
日常会話では聞く機会はあまりないと思うが、会社について調べたことのある人ならばもしかしたら聞いたことがあるかもしれない。
SPCとはSpecial Purpose Companyの略であり、特別目的会社と訳すことができる。
つまりSPC法人とは、特別目的会社を法人化したものである。
ある会社が不動産の資産を取得したとする。
しかし、その会社は不動産が専門ではないため、その資産を運用するためのノウハウを持っていない。
そこで、子会社としてSPC法人を立ち上げ、その資産の運用をそこに任せてしまおう、というのが誕生の流れである。
つまり、SPC法人とはその会社の業務とは全く関係のない、資産運用専門の会社である。
■SPC法人の目的
では具体的に何をするための会社なのだろうか。
例えば、不動産の資産を手に入れた会社はそれを運用して利益を得ようとする。
しかし、もとの会社に不動産運用の知識がなければ、SPC法人を立ち上げたとしても意味がないのではないか。
SPC法人は、資産を取得した後投資家に対して「資産対応証券」というものを発行する。
これは有価証券と似たようなものであるが、有価証券が会社の信用力で発行するのに対し、こちらは資産の運用力で発行する。
このようにして、資金を集め、その資金で不動産を専門の運用会社に委託してしまう。
これならば、不動産の専門知識を持った人が運用してくれるので利益を上げることができる。
そうして計上した利益は投資家たちに配当される。
このように、SPC法人は利益を上げるための会社ではない。
この会社の目的は「資産の流動化」である。
実は法人所得の90%を配当すれば、法人税は免除となる。
そうすることで、取得した資産に対して、資金や労力を負うことなく所有することができる。
■なぜSPC法人ができたのか
もともとSPC法人は、金融機関の不良資産を処理するために誕生した。
不良資産をSPC法人に移して、そこで専門的に運用してもらうことで、資産の改善を図っていた。
しかし最近では、金融機関以外の会社が資産保有のリスク軽減に使用している。
専門知識を持った人たちに運用してもらうことで、固定資産を流動化することできるようになった。
また、資産が一点に集中することも避けることができる。
このように、SPC法人は企業が資産の保有のために立ち上げる会社である。
言い換えるならば、会社の倉庫のようなものである。
そのため、これを持っている会社は余裕のある会社だととらえてみるのもありかもしれない。
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