執行猶予とは

執行猶予とは

執行猶予(しっこうゆうよ)って何?

■執行猶予とは

犯罪を犯した後に判決で刑を言い渡された者が、ある期間中に他の刑事事件を起こしたりしなければ、その刑の言い渡し自体が無かったことにされる制度を執行猶予と言います。
また、その期間を執行猶予期間と呼んでいます。
このことは、日本では刑法25条から27条にわたって規定されています。

■条件

猶予を付する事ができる法定条件は刑法25条に以下のように記され、決まっています。
以前に禁錮と呼ばれる刑罰よりも重たい刑を受けたことがないか、それ以上の刑を受けた事があってもそれ以降5年以内に禁錮以上の刑を処されていない者で、今回の刑が3年以下の懲役または禁錮もしくは50万円以上の罰金である。
以前に禁錮以上の刑に処され、その執行を猶予されており、保護観察がある場合その期間中に犯罪を犯していない者で、今回の刑が1年以下の懲役または禁錮である。
上記の二つの条件に当てはまる場合は1年以上5年以下の範囲で猶予期間が指定されます。
猶予期間が経過すると刑の言い渡しは効力を失います。
いわゆる前科という形にはなりませんが、これは刑の言い渡しの効力が将来に向かって失うと言う趣旨です。
上記の条件もあるのでその後に再び犯罪を犯したとしても執行猶予を受けることができます。
ただし、刑の言い渡しの効力が将来に向けて無くなるだけで、刑を言い渡されたという事実はなくなるわけではありませんので、同じような犯罪の再犯となると、特に情状が重くなり量刑に影響することはあるようです。

■取消し

刑法26条には猶予の取消しについて記述されています。
猶予期間中にさらに罪を犯し、猶予の付かない禁錮以上の刑に処されたとき。
猶予の判決確定前に犯した罪について猶予が付かない禁錮以上の刑に処されたとき。
猶予の判決確定前に、他の罪で禁錮以上の刑に処されたことが発覚したとき。ただしいくつか条件があります。
上記3項を必要的取消しと言い、必ず猶予が取り消されます。
また、次に挙げる3項は裁量的取消しと言って猶予の言い渡しが取り消す事ができる場合の条件です。
猶予期間中さらに罪を犯し罰金刑に処されたとき。
保護観察付きの猶予になったが遵守事項を遵守せず情状が重いとき。
猶予の判決確定前に他の罪で猶予付きの禁錮以上の刑に処されたことが発覚したとき。
めったにあることではありませんが、道路交通法の違反などでも、罰金刑の判決を受けると猶予が取り消されてしまうこともありえる、ということです。

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