ボイラーのヒートバランスとは
ボイラーのヒートバランスって何?
ボイラー
燃料を燃焼させて得た熱を水に伝えて、水蒸気や温水に換える熱交換装置を持った熱源機器です。
家庭では水道水を温めて温水に給湯するためにボイラーが良く使われています。
また、火力発電所や大型船舶などの発電設備がある場所では、ボイラーで生み出された水蒸気でタービンを回して発電をしています。
ボイラーは前述したように燃料を燃やして水を温めているのですが、熱のエネルギーを100%伝えるのは現在の技術では非常に難しいと言われています。
その内容について触れていきます。
ボイラーのヒートバランス
ヒートバランスとは熱バランス、熱収支とも呼ばれる用語です。
これは「物体や場が外部から受け取る熱やその内部で発生する熱と、外部へ放出する熱や内部に蓄積される熱のバランス」と定義されています。
ボイラーのヒートバランスにたとえて説明すると、ボイラー内部で燃焼する燃料が燃焼した熱が外部から受け取る熱、エネルギーとなります。
そして水にその熱が伝えられるのですが、熱はどうしても空気中に逃げてしまったり、金属製のボイラー本体に伝わってしまったりと水だけに伝えることはまず出来ません。
これが外部へ放出される熱です。
そして水に伝わった熱が内部に蓄積される熱となるわけです。
これらはエネルギー保存の法則にしたがった式で表すことができます。
(発生したエネルギー)=(逃げたエネルギー)+(残ったエネルギー)
現状、ボイラーのヒートバランスは逃げてしまうエネルギーがまだ多く、発生したエネルギーを全て活用することが出来ていません。
熱伝導
物質は熱の伝えやすさ、熱伝導がそれぞれで違います。
ガラスを基準の1にした熱の伝わりやすさの数値が熱伝導率と呼ばれています。
現在ボイラーは丈夫さが必要ですので主に金属が使われていますが、金属の熱伝導率は非常に大きな数値です。
これが、逃げてしまう熱が多くなってしまう要因となっています。
熱伝導率が小さい物質にはポリエチレンやシリコンなどがありますが、これらではボイラーが発する高熱に耐えることができません。
もしも将来、金属よりも遥かに丈夫で、熱伝導率が0に近い物質が発見、発明されたなら、熱をほぼ100%水に伝えることが出来るようになり、発電効率が向上、もしかすると使い放題なんてことになるかもしれません。
ボイラーのヒートバランスは、資源不足が言及される現代社会において注目すべき内容なのかもしれません。
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