人徳とは
人徳って何?
人徳とは
「人徳」とは、人に備わっている「徳」のことをいいます。「徳」の意味は、文化や宗教によって違いがありますが、どれも「バランスの取れた心」のことをあらわしています。
人徳がある人は、周りから信頼されたり、尊敬されたり、重要な存在として重宝されます。
今回は、儒教の教えを参考にしながら、「徳」について考えていきましょう。
儒教の「五常」
儒教の中には、「五常」という徳によって、親子・夫婦・友人関係などを維持するという教えがありました。
「五常」は、「仁」、「義」、「礼」、「智」、「信」の5つです。
「仁義」の意味
「仁」は、他人を思いやる心のことです。
「義」は、正しい行いをすることです。
「私利私欲」のように使われる「利」には「人の欲望」という意味があり、これと対立するのが「義」にあたります。
つまり「仁義」は、「自分の欲望に負けず、他人の為に正しい行いをする」という意味になります。
「礼」
人間関係をスムーズに行うために、身分制度や上下関係を守るという内容です。
もちろん、上下関係だけでなく、友人や同僚に対しても礼儀を忘れないことが、人から信頼を得る上で重要ですね。
儒教では、冠礼・婚礼・葬礼・祭礼のことを四礼とよんでいます。
冠婚葬祭のマナーにも気を配らなければなりません。
「智」
「智」は「智慧(ちえ)」という単語からきています。
「智慧」は「知恵」とほぼ同じ意味ですが、「智慧」は「教えの道理に即してものごとを判断・処理する能力」という意味です。
そのためには、物事を一度ありのままに受け入れることが必要になります。
「信」
人に嘘をつかないこと、正直であること、真実を述べること、などの意味です。
孟子の時代までは四徳(仁義礼智)のみでしたが、後にこの「信」も加えられ、五徳と称されるようになりました。
西洋の「徳」
西洋の哲学では、「枢要徳」と呼ばれるものがあります。
ここで挙げられている4つの重要な徳は、「思慮」・「正義」・「勇気」・「節制」です。
4つ目の節制は、どんなものを用いるときでも、度を越さずに質素であること、自分の欲の為にだけに欲しないことなどが含まれています。
まとめ
「五常」や「枢要徳」をみる中で、「人徳」とはどのようなことかイメージできたでしょうか。
人徳は本来人間に備わっているものなので、「人徳を高める」という表現を用います。
意識して周りから信頼を得ることは難しいですが、他人の行いを見て不愉快に感じることをしないように心がければ、自ずと人徳が高まり、周りからの信頼も高まるのではないでしょうか。
「ワードサーチ」は日常雑学・各種専門用語や業界用語などの意味を初心者にも分かる様に解説している用語集サイトです。
IT用語、お金・投資用語、ビジネス用語、日常雑学用語等を調べる際にご活用くださいませ。