インキローラー温調とは
インキローラー温調って何?
インキローラー温調
インキローラー温調という言葉はおそらく印刷業界にでも所属していなければ聞く機会はあまりないだろう。
温度の変化に関する言葉であることは予想はつくだろうと思う。
しかし、この装置は鮮明な印刷を行う上では非常に重要な要素なのである。
現在の印刷方法の主流といえば「オフセット印刷」である。
この印刷方法は、印刷したいイメージをゴムブランケットなどの中間転写体に転写した後に、紙などの被写体に印刷する方法である。
この時、転写に重要なのが「インキローラー」でインキローラーとは印刷装置において、インキを転写体に写し出すポンプのような役割や、インキを混ぜて様々な色のインキを作り出すパレットのよう役割を担っている。
しかし、このインキローラーは接触圧力で高速回転しているため摩擦熱が発生しているため、使っているうちにどんどん熱を持ってしまう。
また、熱を持ってしまうと内部のインキの性質が変化してしまい、鮮明な印刷ができなくなる。
そのため冷却した「湿し水」を流して、インキローラーを冷却する必要がある。
ところが水なしオフセット装置の場合、湿し水がないためローラーを冷却する手段がなく、そのため、使っているうちにインキローラーがどんどん劣化していく一方である。
そこで登場するのが「インキローラー温調」である。
温調装置を取り付けることで、インキローラーの温度を管理し、劣化を防止するのである。
インキは25度くらいがベスト。
夏には温度が高くなり、冬には温度が低くなってしまため、温調で25度に保っている。
どのように温度を管理するか
ではどのように温度を管理するのだろうか。
基本的には印刷機がある空間の近くに温調器を設置し、管理できるようにしている。
温度の管理は基本的には水で行っており、温調器の内部には水槽と冷却器が内蔵されている。
温度を挙げたい時は温水を、下げたい時は冷却水をポンプに流し込んで温度を管理している。
湿し水を外部から流し込む装置と考えてもらえればよい。
従来であれば温度管理をする機能は大掛かりなものになってしまいがちで、また部屋ごと温度変化させていたため、部屋のスペースを圧迫したり、他の従業員の作業に影響を与えていた。
しかし、現在の温調器は室外におくことができるため、スペースの削減、さらには水槽の水を入れ替えたりする必要はなく、それ以外の手入れも必要ない。
水は密閉された空間を循環し続けているため、外気にさらされて状態が変化したりする心配もないし、水を交換する必要もない。
スペースの問題と手間の問題を同時に解決することができるのがインキローラー温調なのである。
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