FTPとは

FTPって何？

■ファイルを転送する仕組み

FTP（File Transfer Protocol）を使用すると、インターネットのようなTCP/IPネットワークを経由し、さまざまなファイルを転送することができます。
FTPはクライアント/サーバ型のシステムのため、サーバプログラムとクライアントプログラムで構成されます。
サーバプログラムが動作しているコンピュータに対し、クライアントプログラムを使用して、ファイルのアップロードとダウンロードを行うことができます。

■色々な意味を持つFTP

この一連の仕組みのことをFTPと呼びますが、この仕組みの中で利用されているプロトコルやプログラムを表す際にもFTPという名称が使用されます。
そのため、単にFTPという用語が使用された場合、どの意味で使用されているかを文脈から読み取る必要があります。

■プロトコルとしてのFTP

名前の一部分に「プロトコル」という用語が使用されていることから分かるように、FTPはプロトコルの一種です。
FTPはTCP/IP内のアプリケーション層に属するプロトコルで、ポート番号20番（データ転送用）と21番（制御用）とを使用します。

■クライアントプログラムとしてのFTP

FTPを利用するためのクライアントプログラムは多くのOSによって標準サポートされており、多くの場合FTPという名前になっています。
それに対し、FTP用のサーバプログラムでは、サーバプログラムを表すdaemon（デーモン）のdを付け、ftpdとあらわされる場合が多くなっています。

■FTPのユーザ認証

クライアントからFTPサーバにアクセスする際、サーバからユーザ名とパスワードを利用したユーザ認証を求められます。
基本的には、あらかじめサーバ上に登録されているユーザ名とパスワードを提示する、一般的なユーザ認証が可能です。
ただし、インターネットでは不特定多数のユーザからの利用が考えられるため、あらかじめユーザごとのアカウントを準備するのは困難です。
その際に使用される機能が匿名認証です。
匿名認証が有効になっているFTPサーバでは、認証時のユーザ名として匿名を意味する「anonymous」と入力することでアクセスが許可されます。
パスワードに関して未入力でもアクセス可能な場合もありますが、ユーザ自身のメールアドレスを入力する慣例になっています。

■FTPの脆弱性

FTPでは、サーバとクライアント間で交換する情報は暗号化されないため、盗聴の被害に合う可能性があります。
そのため、より高いレベルのセキュリティが必要な場合は、別途暗号化技術を組み合わせたうえでFTPを利用したり、FTPのセキュリティを強化したSFTPやFTPS（FTP over SSL）の利用が好ましいと言えます。
また、HTTPを応用したWebDAVのようなFTPの代替技術も増えているため、FTPの利用される機会は減少傾向にあります。