源泉徴収とは
源泉徴収って何?
■概要
源泉徴収とは、会社員や公務員に対して給与が支払われる際に勤務先があらかじめ所得税などを差し引いた額を支給し、天引きした額を国などに納付する制度です。
源泉徴収された所得税の過不足は会社員や公務員の場合は年末調整、自営業なら確定申告で調整されます。
また、会社員であっても年収が2000万円を超える人などについては年末調整ではなく確定申告が必要になります。
■日本における源泉徴収の起源
日本で給与の源泉徴収が始まったのは1940年からです。
当時、戦争にかかる費用が膨大だったため戦費を効率よく集める制度として開始されました。
日本ではナチス・ドイツの制度を参考にして作られ、戦後もアメリカやイギリスでも源泉徴収が行われています。
戦後70年近く経過した現在でも、戦争の名残として日本では源泉徴収が一般的となっています。
■源泉徴収のメリット
源泉徴収にはいくつかのメリットがあります。
たとえば、一度に多額の納税が不要で月々分割で支払えるため納税者の負担が軽減されたり、所得税を確実に徴収できるといったメリットがあります。
また、課税標準等の把握が正確にできたり、所得税額が一年を通じて平準化されるといったメリットもあります。
納税者にとっては様々な負担が軽減される制度となっています。
■源泉徴収のデメリット
源泉徴収は一度に多額の納税が不要になったり、手続きをまとめて行うことで事務作業の効率化が図れるなどのメリットもありますが、納税者の納税意識が薄れるなどのデメリットも存在します。
勤務先が納税をある意味で代行してくれるため、納税しているという実感が薄れ、国民の参政意識が育たないという欠点もあります。
■アルバイト・パートの源泉徴収
会社員や公務員の場合は給与から所得税が源泉徴収されますが、パートやアルバイトの場合も源泉徴収されるのでしょうか。
課税対象となるのは年収が103万円以上の場合です。原則として年収が103万円未満の場合は課税されません。
しかしここに落とし穴があります。源泉徴収は1ヶ月ごとの給与額で徴収の有無が決まります。
つまり、たとえ年収が103万円未満であったとしても、1ヶ月の給料が8万8,000円を超える場合は所得税が源泉徴収されます。
年収が103万円未満で、1ヶ月の給料が8万8,000円未満であれば所得税の源泉徴収は必要ありません。
もし年収が103万円未満の予定だからといって所得税を源泉徴収しないと税務調査の際に問題になる可能性があります。
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