金融持株会社とは
金融持株会社って何?
■概要
金融持株会社とは、傘下の子会社の大半が金融事業を営む持株会社のことです。
銀行や保険、証券会社などの金融業を傘下に収める金融コングロマリットで、以前までは独占禁止法などにより規制されていましたが、独占禁止法の改正などにより可能になりました。
親会社の社名にはフィナンシャルグループやホールディングスといった名称がつくことがほとんどとなっています。
■金融持株会社が生まれた背景
以前までは金融持株会社は厳しく規制されており、同じ金融業界でも異なる業態(銀行や証券等)に進出する場合には業態別に子会社を設立して親子関係にならねばならず、資本持ち分も厳しく制限されていました。
そのため、従来の金融業界では提供している商品やサービスごとに区分された業態別の金融機関がそれぞれの業態範囲内で業務を行っていました。
しかし、これでは顧客に対して総合的な金融サービスを提供するのが難しく、顧客にとって不便なことも多いのが実態でした。
そんななか、金融自由化が進んだことにより金融持株会社が解禁され、100%所有の複数の金融子会社を使って総合的な金融サービスを提供できるようになりました。
■金融持株会社のメリット
金融持株会社には様々なメリットがあります。
まず一般的な持株会社のメリットとして、親会社がグループの長期戦略や各子会社の管理に専念できるという点やグループ会社の適度な連携による経営の効率化、独立採算制によるリスクの分散などがあげられます。
これに加えて業態別に子会社を持つことで利益相反を防止し、利益者を保護するというメリットもあります。
■銀行持株会社について
金融持株会社の中でもグループ内に銀行を所有する持株会社のことを銀行持株会社といいます。
アメリカで多く設立されており、2008年の金融危機で銀行持株会社という言葉が注目を集めました。
2008年の金融危機においてサブプライムローン関連の損失によりアメリカの名門投資銀行は経営破綻の危機に陥りました。
破綻を回避するためにFRBからの公的融資が必要でしたが、融資先は銀行等に限定されていたため証券業である投資銀行では融資の利用ができませんでした。
そこで、投資銀行は銀行持株会社に移行することで公的融資を利用できるようにしたのです。
ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった一流投資銀行が次々と銀行持株会社となり、アメリカにおいて純粋な投資銀行は完全に消滅しました。
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