タックスヘイブンとは
タックスヘイブンって何?
■概要
タックスヘイブンとは租税回避地とも呼ばれ、一定の課税が非常に低く設定される又は免除されている国や地域のことです。
元々は産業に乏しい島国が国際貿易の拠点となることを目的にして作られた制度でしたが、現在は富裕層の資産や企業の誘致など様々な目的のために利用されています。
有名なタックスヘイブンとしてはケイマン諸島やバミューダ諸島がありますが、島国以外にもシンガポールや香港などは非常に低い税率で知られており、事実上のタックスヘイブンとなっています。
■タックスヘイブンの問題点
タックスヘイブンは税金を回避できるというその性質上、非常に厄介な問題を抱えています。
まず、他の諸外国からしてみればタックスヘイブンは非常に目障りな存在です。
自国の富裕層の資産などがタックスヘイブンに流出してしまうため税収が減ってしまうからです。
そのため自国の税率を引き下げるなどの対策を余儀なくされています。
また、タックスヘイブンはマネーロンダリング(資金洗浄)の温床になっているとも言われています。
マネーロンダリングは脱税などの金融犯罪はもちろん、テロ組織の資金としても使われるなど凶悪犯罪につながる可能性もあるので大きな問題となっています。
■個人でもタックスヘイブンの利用は可能
タックスヘイブンは一部の企業や大金持ちなどが利用しているイメージがありますが、一般の個人でも銀行口座を開設することは可能です。
ただ、口座を開設する地域にもよりますが、様々な条件を満たさなければ開設できないこともあるので日本で銀行口座を開くほど簡単なことではありません。
一部の資産家などは税金対策として資産の一部をタックスヘイブンに移しているようです。
■国際的な租税競争
現代の経済はグローバル化が進み、企業も積極的に海外展開を計画するようになりました。
各国は企業や資金を誘致することで国の経済発展や税収の向上を目指すようになり、世界的に租税競争が起こるようになりました。
租税競争とは税率を著しく引き下げるなどして企業を優遇し、自国に誘致しようという競争です。
資本主義社会では自由競争で企業や個人が競っていますが、現代は国家までもが税金を通して競うようになっています。
しかし、先進国などでは租税競争によって財政破綻のリスクが高まることや自国の産業が空洞化することを懸念して、国際的な協調により租税競争を阻止しようという動きもあります。
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