購買力平価とは
購買力平価って何?
■概要
購買力平価とは外国為替レートの決定要因を説明する概念の1つで、為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率で決定されるという考え方です。
たとえば、ある商品が日本では200円で購入でき、アメリカでは1ドルで購入できるとすると1ドル=200円が購買力平価となります。
実際には購買力以外の様々な要因によって為替レートは変動しますが、長期的にみて購買力平価から著しく乖離することはないという考え方となっています。
スウェーデンの学者であるカッセルが購買力平価説として発表しました。
■絶対的購買力平価と相対的購買力平価
購買力平価には絶対的購買力平価と相対的購買力平価の2つがあります。
ここではそれぞれについて解説していきます。
絶対的購買力平価
同じ商品の価格は1つに決まり、全ての財やサービスが自由に取引できる自由市場を前提とした場合、A国での商品価格をB国での商品価格で除したものが絶対的購買力平価です。
基本的には米ドルが基準として用いられ、日本での商品価格をアメリカの商品価格で除したものが購買力平価となります。
具体的には以下のような式になります。
ハンバーガーが日本で200円、アメリカで2ドルの場合
200円÷2ドル=100円(1ドル=100円)
ハンバーガーが日本で100円、アメリカで5ドルの場合
100円÷5ドル=20円(1ドル=20円)
つまりこの2つの例の場合、上の式では100円で1ドルと交換することができ、下の式では20円で1ドルと交換することができます。
そのため、上の式よりも下の式のほうが円高ということになります。
また、絶対的購買力平価の前提である同じ商品は1つの価格に決まるという法則を一物一価の法則といいます。
■相対的購買力平価
相対的購買力平価とは、2国間における物価水準の変化率に為替レートが連動するという考え方です。
ある時点の為替レートを基準とし、その後の物価上昇率の変化から購買力平価を求めます。
この基準となる為替レートは正常な自由貿易が行われていた時点の為替レートが用いられます。
日本とアメリカを例にすると、経常収支が均衡し、政治的圧力も無く為替取引が行われていた1973年の1ドル=265円が基準となっています。
この相対的購買力平価が成立するためには、厳密にいえば全ての財やサービスの価格が同じ比率で変化しなくてはなりません。
(現実には財やサービスによって価格の変動率は異なります)ただ、現在はこの相対的購買力平価が主流となっています。
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