クオンツとは
クオンツって何?
■概要
クオンツとは高度な数理モデルなどを使ってマーケットを分析したり金融商品開発をしたりする専門家のことです。
1980年代にロケット工学の科学者(ロケットサイエンティスト)が量子力学などを金融工学に応用したのが始まりで、今日ではリスクマネジメントやデリバティブ取引など幅広い分野で活躍しています。
クオンツになるには高度な数学的素養が必要であるため、欧米の一流大学で物理学や経済学の博士号を取得した人達が多くを占めています。
■投資銀行におけるクオンツ
クオンツは投資銀行をはじめ、ヘッジファンドなど多くの金融機関で活躍している専門家です。
複雑な金融商品の開発をはじめ、商品のプライシング(値決め)を行ったり、予測モデルを開発するなどしています。
投資銀行に勤務するクオンツは非常に多忙ですが、給与も高いことで知られています。
金融工学の発達により、クオンツが活躍する場が増えてきました。
■クオンツファンドについて
クオンツが過去のデータなどを利用して予測モデルを構築し、そのモデルに従って運用することをクオンツ運用といいます。
また、クオンツ運用を使って実際に投資を行うファンドをクオンツファンドといいます。
クオンツファンドは精度が高い予測で大きな利益を生むことも多いですが、サブプライムローン問題が発生した時は多くのクオンツファンドがモデルに従って同じような金融商品を売ったため大きな損失を出しました。
■クオンツファンドの問題点
クオンツファンドは優れた数理モデルで大きな利益をあげることもありましたが、その性質上大きな弱点があります。
多くのクオンツファンドは同じ指標を使って投資していたため売却する銘柄が類似してしまい、結果として急落するという事態が起きてしまいました。
数値化できる指標を使うことで結果として同じ銘柄に投資しがちになってしまうというのがクオンツファンドの大きな弱点といえます。
また、多くのクオンツファンドは過去のデータをもとに予測モデルを構築しています。
そのため、過去に例のない動きになると大きな損失を発生させてしまうこともあります。
また、クオンツファンドはそれぞれのポートフォリオが似てしまうため、同じような銘柄に多くのクオンツファンドが投資してしまうので儲かりにくいということもあります。
今後クオンツファンドで儲けるためには、いまだに発見されていない独自の予測モデルの開発などが必要になってきます。
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