キャリー取引とは

キャリー取引とは

キャリー取引って何?

■概要

キャリー取引とは、金利の低い通貨を借り入れて、為替市場で金利の高い通貨に交換してその金利差で利益を得る運用手法のことです。
つまり、低金利通貨で資金調達をして高金利通貨で運用を行うということです。
通常、高金利通貨に両替した後は外国債券や外国株式などで運用を行います。
円を使ってキャリー取引を行う場合は「円キャリー取引」、ドルの場合は「ドルキャリー取引」と呼ばれています。
キャリー取引は有力な資金調達方法の1つであるため、多くのヘッジファンドや機関投資家が利用しています。

■キャリー取引の収益性と問題点

キャリー取引の収益は主に2つあり、通貨の金利差から得られる収益と資金を使って株式等で運用した収益に分けることができます。
まず、金利が低い通貨を借り入れて金利の高い通貨に為替市場で交換しているため、その金利差が収益となります。
次に、交換した高金利通貨を使って株や債券などに投資することでも収益が得られます。
このように、キャリー取引をすると2つの収益が発生するためうまくいけば非常に収益性の高い運用手法となります。
一方、為替市場が不安定であったりした場合はキャリー取引がうまくいかないこともあり、そのような場合は急激にキャリー取引の解消が進むため更に為替市場が混乱する原因ともなります。
2008年の金融危機では円キャリー取引が急速に解消されて急激な円高の要因の1つとなりました。

■円キャリー取引

日本の金利は世界的に見ても非常に低い水準であったため、内外の投資家は積極的に円キャリー取引を利用していました。
特に、日本と他国の金利差に目をつけたヘッジファンドが盛んに円キャリー取引を行いました。
2006年時点では投機目的や実需筋も合わせると46兆円の規模であったと推定されています。
ただ、海外で金利の引き下げが行われて日本との金利差が縮小すると円キャリー取引の解消が進むため、円キャリー取引の急激な「巻き戻し」が起こります。
その結果、リーマンショック以降のような急激な円高が進む要因にもなります。
そのため、円キャリー取引の資金の動向も、為替市場を左右する大きな因子となるので注目されています。
また、海外投資家の円キャリー取引を用立てしているのは日本の金融機関であるため、もし海外投資家達が円キャリー取引の清算に失敗した場合は不良債権を抱える可能性もあるので日本経済にとっても大きな影響力を持っています。

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